進取の精神グローバル人材育成プログラム(P-SEG)

P-SEG特別講演会を開催しました

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 2016年11月2日(水)に鹿児島大学グローバルセンターおよび農学部の共催でP-SEG特別講演会が開催された。今回の講演会は鹿児島大学農学部卒業生で、ルワンダ共和国で大学教員として、またNGOボランティアとして活動されている佐々木和之氏を迎えて行われた。第一部の講演会(12:50-14:20)と第二部は研究懇談会(14:30-16:30)に分かれて行われた。当日は、第一部には194名、第二部には19名の参加者があった。

 第一部は、ルワンダでの虐殺事件とその後の「癒しと和解」活動を中心とする講演と質疑応答が行われた。佐々木氏は鹿児島大学を卒業後、エチオピアでの活動などを経て、2005年からルワンダでの活動を始められた。ルワンダでは、1994年にフツ族によるツチ族の大量虐殺事件が起きたが、そこで、現在に至るまでNGOリーチ(Reconciliation Evangelism and Christian Healing)と協力して、加害者と被害者間の「癒しと和解」のためのプロジェクトを展開されてきた。虐殺事件は普通の人々が政府のプロパガンダによりコミュニティ内の隣人を殺害した事件であり、その後も同じコミュニティ内で共生しなければならないことから、リーチでは2005年から互いに思いを語り合う場である「癒しと和解のセミナー」や加害者が被害者の家を建てる「償いの家造りプロジェクト」などを行ってきた。これらの活動は、2013年から両者が協働する養豚共同組合へとつながり、さらに、2015年からは、両者の家族の女性たちが共同で切り花生産・販売を行う「お花畑プロジェクト」も始まっている。これらの草の根の活動により、被害者の甥と加害者の姪が結婚するなど以前では考えられなかったような成果につながった。会場からは虐殺についての歴史教育、現在の死刑制度、虐殺事件におけるプロパガンダの問題などの質問がでた。

 第二部では、2011年からルワンダのプロテスタント人文・社会科学大学(Protestant Institute of Arts and Social Sciences)で佐々木氏が立ち上げたルワンダ初の「平和と紛争研究科」での活動を中心とする講演と質疑応答が行われた。この学科で佐々木氏とともに平和構築について学び、「癒しと和解」プロジェクトに参加した若者たちが、卒業後もNGOなどで働き、さらに、現在では日本人を含めた留学生も受け入れつつあるという。

 格差の問題、他国との複雑な関係、民主主義の実現など多くの問題を抱えているルワンダであるが、今回の講演では、佐々木氏の「癒しと和解」プロジェクト活動を行いながら、次世代の平和を担う若者を育成するための大学教員としての活動の両方について伺うことができた貴重な機会となった。

(文責:森田)

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